CIZ 審査と保証の語り場

Column #5

 市場動向を見極める

不動産賃貸管理業務のうち、マーケティング、市場分析について必ず読者の皆様も日々の業務として行っていらっしゃると思います。
簡単に述べますと、例えば土地の有効活用において、間取り、面積、設備、外構等のプランの検討や賃料の設定などです。既存物件の入退去に伴う、プラン変更、リフォーム、募集条件設定、再募集賃料設定においても同様です。
現在の賃貸市場はごく僅かなエリアを除いて、ほとんどのエリアで借り手市場であり、多くの空室物件が溢れているのではないでしょうか。ここでは詳細の市場分析手法は割愛させていただきますが、概ねこれらの市場条件下において販促計画、賃料等募集条件の設定をしなければならない状況だと思います。
このように市場における物件在庫、空室物件が多い状況が続く中、賃貸市場はゆっくりと成熟市場へと変わりつつあると考えられます。


市場が成熟する。
これはどんな意味を指すのでしょうか?幾つか挙げてみましょう。
①物件の設備、間取りなど個別の差が無くなってくる。
②集客から成約まで、インターネットの依存が増えてくる。
③仲介手数料の減少、又は撤廃が進む。
④入居希望者(賃貸の顧客)の質において、優劣が顕在化してくる。
⑤礼金、敷金の減少、又は撤廃傾向が進む。
⑥その他

同時に都心部では管理業者間における競争が激化し、管理業者によって、取り扱う物件に差が生じるなど、大手、準大手の寡占化傾向が進むことになるでしょう。

 不動産賃貸借にかかるビッグデータは宝の山、新たなる価値の創造へ

ビッグデータとはその産業界におけるあらゆる事象に関連する個々の情報が集約されている塊のことを指します。
このビッグデータを分析、活用することで「顧客、消費者を更に深く理解する」「商品内容やサービスを高度化し他社との差別化を図る」など、「ヒト・モノ・カネ」+「データ」の時代になったと言われています。
更に今ではビッグデータに取り組まないと負ける、とも言われ、データを活用し意思決定の精度やスピードを上げる、商品力を挙げ競争優位な戦略を展開して行くことの重要性が唱えられています。

賃貸市場がゆっくりと成熟市場に代わり、前述の通り私たちを取り巻く環境が変わって行くとしても、不動産管理会社は収益を上げ、成長していかなければなりません。空室を埋めて、仲介手数料や管理手数料、その他それに変わる収益を得なければならないのです。
仮に礼金、敷金ゼロで募集してみたらどうなるのでしょうか?
この条件で通常より1ヶ月や2ヶ月早く決まれば、大家さんの収入は変わりません。敷金ゼロでも滞納保証や原状回復保証がついていれば、敷金に頼る必要もありません。
弊社の与信管理システムで、スコアリング、ランク付けなどを行っていますが、弊社では点数毎、ランク毎の滞納率はビッグデータの分析により、詳細にその傾向と結果を把握しております。これらは信用力の点数とランク付けに留まらず、年齢、職業、勤続年数など主要な項目についても同様です。
このビッグデータが収益に結び付くには「情報の質」「蓄積された量」「リアルタイム性」「専門性」が必要です。
正に不動産賃貸借にかかるビッグデータは宝の山です。

CIZではご利用の会員の皆様からマーケッティング上の分析依頼を何時でもお受けしております。会員皆様におかれましてはCIZを通じ、このビッグデータの活用に取り組んでいただき、今の賃貸市場において会員皆様毎に新たな需要を創造されては如何でしょうか?
ご利用会員の皆様が競争優位に立つことは間違いありません。

アークシステムテクノロジーズ株式会社 代表 定村𠮷高

Copyright © Credit Information Center, All Rights Reserved.