CIZ 審査と保証の語り場

Column #4

 注目を集めるビッグデータ

Windows95が発売されて30年近くが経とうとしていますが、現在はスマートフォンに始まり、スマートフォンで完結するといえる程、携帯するパーソナルコンピューティングの時代を迎えています。これらのスマートフォン市場は今後益々、進化を遂げていくと思います。
一方、企業はクラウド型コンピューティングによる、情報統合と再利用による新たな価値観を創造し、ビジネスに活用しようという動きが活発化しています。その一つにビッグデータの活用というものがあります。
産業界でもこのビッグデータの活用についてはまさに注目を浴びています。
そこで
・不動産賃貸におけるビッグデータとは何か?
・このビッグデータの活用方法はどんなことが考えられるのか?
・このビッグデータに活用により今後の賃貸市場はどのように変貌して行くのか?
などを考えてみたいと思います。

 不動産賃貸のビッグデータとは何処で収集されるのか

勿論これらの情報一件々は不動産会社の店頭(バーチャル店を含む)において収集されています。つまり、不動産賃貸の各種信用情報等は不動産会社において収集され、基本はその不動産会社に帰属するものです。
これらの情報が何かの作用で集約されたものが不動産賃貸のビッグデータとなります。従って、この不動産賃貸のビッグデータから作られる新たな価値は不動産業界に帰属されるべきと考えます。僅か数年前、多くの不動産会社は入居審査について悩んでいる時期がありました。
その昔、引越し専門の運送会社が不動産会社に無料で配布していた入居申込書から始まった賃貸物件の入居審査は自社専用の入居申込書へと変わっていき、住民票の提出、実印、印鑑証明書の提出と時代々によって少しずつ変化を遂げてきた歴史があります。
その中で、ある会社は超ベテランの賃貸担当スーパーレディーの方が経験と勘で審査する。ある会社は担当者3名が集まって、合議して多数決で審査する。
これはほんの一例ですが、このように入居審査は各社各様で灯台のように指針となるものはありませんでした。そこにゆっくりと、浸透してきたのが賃貸保証会社(最初は保証人代行会社)による保証審査でした。保証審査が通らなければ入居はお断りとしている等と、今ではこの保証審査を入居審査に代えている会社が少なくありません。(*管理業務では保証会社の保証審査をパスした審査内容が重要であり、最終の入居審査の判断や大家さんへの助言などは管理会社の役割ですので、その審査の内訳を知る必要があります)
これらの審査手段はさておき、本来、管理業務のひとつにある入居審査を第三者(保証会社)に委託していることが続いていくと、先に述べた不動産賃貸に関するビッグデータは不動産業界に溜まることはありません。
不動産賃貸のビッグデータが流失しているのです。

CIZでは(一社)全国賃貸不動産管理業協会様による独占的推奨と、各県の宅建協会様のご協力のもと、不動産賃貸にかかるビッグデータはCIZ会員の皆様を始めとする宅建業業界に帰属するものとして、CIZは指定信用情報機関としての役割を担っています。

次回では「不動産賃貸にかかるビッグデータは宝の山、新たなる価値の創造」について掲載いたします。

アークシステムテクノロジーズ株式会社 代表 定村𠮷高

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